低解約払戻金特則
低解約払戻金特則
生命保険では、医療保険とした第三分野に対する保有割合が著しく示していることを皆様もご存知のことと思います。
2006年3月に典型的な医療保険に付いて「第三分野の責任準備金積立ルール・事後検証等について」纏められた報告書に基づき、施行、告示そして監督指針とした規制化が、適用されることになりました。
報告書によりますと、伝統的な死亡保障商品とは異なるリスクを有する第三分野商品として約定した支払事由による保険料率の設定、商品設計、また、リスクに対する実態として契約後の責任準備金、支払余力の確保などが述べられており、死亡保険と比較して概観する特質としてそのリスクに対する商品設計・料率設定時の問題、責任準備金の積立などによる事後的な問題なども報告意見として纏められていました。
そこで、今回のテーマ「低解約返戻金特則」を考察したいと思います。
現在、医療保険の主流とした終身タイプでは、将来に対する支払いに備えるために保険料積立金を積む構造としており、例えば、保険事故が発生する前に解約が生じた場合、大きな返還が生じる商品になっておりましたが、第三分野の保険料率に付いて死亡給付金を含む、支払い要素として、保守的な基礎率や安全割増などで見積もることで保険料率のバランスを図ることとをしており、配当などで還元する実質的負担を軽減する方策を用いておりましたが、今回の「責任準備金の積立ルール」より生存保険に用いる安全割増などを圧縮方策などとして採用をしております。
また、これとは別に保険料を廉価に設定することで採用している「低解約抑止型」などの商品にシフトしている傾向が高まっています。
更に、死亡給付金を「担保」することなく、保険事故以前に解約払戻金が発生しない設定として、前述な併用することで、保険料率の引き下げ効果に起用しています。
更には、第三分野商品では、先ほど述べました「保険料率」に付いて生存保険が用いる『「予定解約率」を用いて、設定次第で保険料の水準が大きく変動するよう「一定の前提をおいて入院のみを給付対象とした解約返戻金ナシの医療保険による終身タイプで年払い純保険料での計算をした場合、予定解約率を毎年5%にした場合、20歳加入で、通常の予定解約率を使用しない商品で約40%、50歳では約70%となるとしています。」(杉村卓哉「医療保険の価格設定に関する一考察」日本アクチャリー会会報第58号第3分冊・2005年)とされています。
但し、問題もいくつか孕んでいるため、どうように設定し、予定解約率を採用するかも「鍵」であり重要な問題でもあると結んでいます。
では、「低解約返戻金特則」を各社から約款上では、どうように定め条項にしているかを検証したいと思います。
今回では「終身医療保険」より抜粋しました。
○A社 東京海上日動あんしん生命「低解約返戻金特則」(平成17年1月2日改定)
本特則は、この保険契約の締結の際に、この保険契約に付加して締結します。2.各被保険者部分の解約返戻金は、解約返戻金の規定にかかわらず、次の各号に定める額のうちいずれか小さい額とします。
(1)解約返戻金の規定により計算した額に、保険証券に記載の低解約返戻金割合を乗じて得た額(2)その被保険者の入院給付金日額に、保険証券に記載の解約返戻金の入院給付金日額に対する割合を乗じて得た額。
3.前項の規定にかかわらず、解約返戻倍率の指定がないときは、各被保険者の解約返戻金は、前項第1号に定める額とします。
4.低解約返戻金割合および解約返戻金倍率は、変更することができません。
5.保険契約者は、保険契約の締結の際、会社の定めるところにより、保険料払込期間を無解約返戻金期間として指定することができます。
この場合、(解約払戻金)第1項ならびに本条第2項および第3項の規定にかかわらず、保険料払込期間中の解約払戻金はありません。
○B社 ソニー生命「低解約返戻金特則」(平成18年8月2日改定)
この特則は、主たる保険契約を締結の際、保険契約の申出があり、会社が承諾したときに主たる保険契約に付加して締結します。1.(生死不明その他の場合の取扱)を次のとおり読替えます。
被保険者の死亡が免責事由に該当したことによって死亡給付金を支払わないときは、会社の責任準備金を、保険契約者に支払います、ただし、責任準備金の金額が死亡給付金額を上回る場合は死亡給付金額を上限として、保険契約者に支払います。
2.(解約返戻金)第1項は次のとおり読替えます。
保険料払込期間経過後の保険契約については、死亡給付金と同額とします。
ただし、保険料払込期間中経過後であっても、保険料の払込み猶予期間中または失効中である場合を除きます。
(1)前項以外の保険契約については0とします。
○C社 アクサ生命「低払いもどし金特則」(2005.10)この特則は、契約締結の際、契約者の申出があり、会社が承諾したときに契約に付加します。
2.この特則を付加した場合の保険料払込中の払いもどし金額は、(払いもどし金)の規定により計算した額に、この特則の締結時に定めた低払いもどし金割合を乗じて得た金額とします。
3.前項により計算された払いもどし金額が、死亡保険金相当額をこえることとなる場合には、払いもどし金額は、死亡保険金相当額を限度とします。
4.保険料払込期間経過後の払いもどし金額は、(払いもどし金)の規定にかかわらず死亡保険金相当額とします。
5.低払いもどし金割合は、変更することができません。
6.この特則を付加した場合は、(保険料払込期間の変更)規定にかかわらず、保険料払込期間の延長は取り扱いません。
7.この特則のみの解約は取り扱いません。
8.この特則と入院無事故給付金支払特則を重複して付加することはできません。
○D社 アメリカン・ファミリー生命「低解約返戻金特則」(平成17年6月2日改定)
本特則は、この保険契約の締結の際に、保険契約者が次のいずれかの方法を会社に申し出て、会社が承諾することにより、この保険契約に付加して締結します。ただし、この保険契約の保険期間が年満期で定めてある場合に、第1号に定める低解約返戻金割合を指定する方法は取り扱いません。
(1) 低解約返戻金割合を指定する方法(2) 解約返戻金を0と指定する方法2.前項第1号に定める低解約払戻金割合を指定する方法で本特則を付加した場合には、つぎのとおりとします。
(1) 保険契約者は、低解約払戻金割合(1よりも小さい割合とします。)を、会社所定の範囲内で指定してください。
(2) 保険料払込期間中の保険契約の解約返戻金は、(返戻金)の規定にかかわらず、(払戻金)の規定により計算した解約返戻金に、前号において指定された低解約払戻割合を乗じて計算します。
(3) 第1号において指定された低解約払戻割合は、変更することができません。
3.第1項第2項に定める解約返戻金を0と指定する方法で本特則を付加した場合には、(払戻金)の規定にかかわらず、保険料払込期間中の保険契約の解約払戻金はありません。
4.本特則のみの解約はできません。
では、考察していきましょう。
各生命保険会社の条文が異なるため、要点を整理して考察しました。
「営業保険料」での「予定解約率」として払戻金割合を定めており、その内容として保険料率に対して条文を掲げていることが云えます。
但し、顧客による指定とする会社、所定による割合による選択、さらには選択ではなく、どちらかを選択する会社とがあることが判明します。
それでは、1.死亡給付金に付いて、A社:低解約返戻金割合を乗じて得た額または、解約返戻金の入院給付金日額に対する割合を乗じて得た額。
B社:保険料払込期間経過後の保険契約については、死亡給付金と同額とします。
C社:前項により計算された払いもどし金額が、死亡保険金相当額をこえることとなる場合には、払いもどし金額は、死亡保険金相当額を限度とします。
尚、保険料払込期間経過後の払いもどし金額は(払いもどし金)の規定にかかわらず死亡保険金相当額とします。
D社:該当箇所ナそして2.解約払戻金に付いては、A社:保険料払込期間中の解約払戻金はありません。
B社:保険契約については0とします。
C社:保険料払込期間経過後の払いもどし金額は、(払いもどし金)の規定にかかわらず死亡保険金相当額とします。
D社:保険料払込期間中の保険契約の解約払戻金はありません。
更に3.変更および解除についてA社:低解約返戻金割合および解約返戻金倍率は、変更することができません。
B社:前号以外の保険契約については0とします。
C社:この特則のみの解約はできません。
「別の医療保険の約款より抜粋」D社:この特則のみの解約は取り扱いません。
検証結果として3つに分類できるのではないでしょうか?1に付いては、途中解約を抑制し、死亡給付金とした条文となっておりますがD社では該当する条文がありませんでした。
2では、保険料払込期間中に対して解約払戻金を抑制することを示しています。
但し、保険料払込期間中、または、払込期間経過後については、商品ごとに注意すべき点を示しています。
3の最後の変更および解除の文言ですが、基本的には、特則として主約款に定めた条項ですので、特則自体を解除・変更はできないとしております。
生命保険契約では、解約払戻金は保険契約者と保険会社に既存するものとしております。
生命保険会社では、責任準備金として将来に際し「共同備蓄」とした財源としているわけですが、その反面、保険契約者および保険金受取人に対しも請求出来るものとして保険業法でも定めている、権利があるのです。
しかし、冒頭にも書きましたが「低解約抑制」などを採用することで保険会社は、保険事故に対する抑制が図れ、保険契約者は廉価な価格で給付金を受け取れるとしたことしております。
さて、顧客の要請・要望に対する欲求を果たすべく生命保険商品は、その時代の寵児として保険商品を開発・販売をしています。
顧客の満足度を満たすべく「保険プランニング」にも、その時代背景が反映していることも同様のことでしょう。
これは、現在ある最善の商品を提供することですが、「約款」では種類ごと、商品ごとに時代の要請するごと時を経て変貌してきました。
ですからパンフレットとは違った意味が混在しているのです。
民法では、「過失」を「標準的な、行為者が自己の事務を処理するにあたって用いる程度の注意を欠くこと」として定めています。
(民法359条)生命保険契約は、一種の「債権契約」であるのです。
ですから顧客に注意を促がすために募集人は、心ある対応として注意を払い、お客様に促して頂きたいのです。
「廉価」の裏にはそれ相当の理由があることを。
「約款こそ情報の宝庫」とする意味を今一度考えなければならい時代が来たことを・・・。
by 約款マン