保険料の払込
保険料の払込…猶予期間および契約の失効
愛読書としている約款がります。
青谷和夫先生が著書として書かれた「普通保険約款演習(三生書房)」です。
今回は、規定事例と併せ、書かれた内容と照らし合せ現在による「約款」内容と対比しながらはなしを進めてみたいと思います。
当時(昭和30年代頃)の「普通保険約款」では「保険料を払込という」規定を調べますと「契約応当日の属する月の一日から末日までの間に払込むべきもの」と規定しており「持参」をしなさいと規定しております。
ですが、現在の「約款」に規定している保険料の払込では( 約款の条項より抜粋しました )
「第2回以後の保険料は、保険料払込期間中、保険料の払込方法<経路>(契約者は、保険料の払込を選択することができます)に定める払込方法に従い払い込んで下さい。
※
(1)会社の本店または会社の指定した場所に持参して払い込む方法
(2)金融機関等の会社の指定した口座に送金することより払い込む方法
(3)会社の派遣した集金人に払い込む方法
(4)会社の指定した金融機関等の口座振替による払い込む方法
(5)所属団体または集団を通じて払い込む方法
と現行との条項とは大変な違いが規定してあります。
当時(昭和30年代後半から40年始めにかけた)の時代背景なのかも知れません。
保険会社と保険契約者との関係が、現在での立場と逆転していることが約款から伺えます。また、非常に興味深いことに保険料の徴収方法として「指定場所及び営業所に保険料を払込しなければならず、期限を経過した場合には持参債務とし、保険契約者には法令の取引時間内までに保険料を払込こと」が周知徹底されていたと約款に書かれております。今ほど「払込経路」の多様化もいらなかった時代ですから出来えたことかもしれませんが。
特に銀振扱、つまりは契約者の口座から保険会社への振替が主流とした現在での経路は利便性はあります。ですが、弊害をもたらす結果となった「失効」や「未納」という逆効果の原因も起こしてしまいました。
では、ご参考に約款による規定を記載します。
※保険料の払込猶予期間および契約の失効
ソニー生命 「平成16年4月作成の約款より」猶予期間および契約の失効
(1)月払契約の場合…第2回以後の保険料は、保険料払込期間中払込期月内に払い込んで下さい。
月単位の契約応当日の属する月の初日から末日まで
(2)年払契約または半年払契約の場合…年単位または半年単位の契約応日の属する月の初日から末日まで、月払い契約の場合、払込期月の翌月初日から末日まで猶予期間内に保険料が払い込まれないときは、契約は、猶予期間満了の日の翌日から効力を失います。
さて、ついでに「猶予期間」を「約款」より抜粋をしました。
※ 払込の猶予期間
ソニー生命の約款より抜粋「平成16年4月作成の約款より」
月払い保険料の扱い…払込期月の翌月初日から末日まで。
年払い・半年払い保険料の扱い…払込期月の翌月初日から翌々月の月単位の契約応当日まで、但し、契約応当日が2・6・11月の各末日の場合には、それぞれ4・8・1月の各末日までと規定しており ます。
今度は「普通保険約款」による猶予期間による年払払い保険料については
(ア)払込期間から二ヶ月
(イ)払込期日の翌日から二ヶ月
(ウ)払込期日後二ヶ月
(エ)払込期間から二ヶ月
と大雑把に規定されております。
更に「約款」での前提は「契約応当日」に対する考え方として、月払い保険料の場合「払込期月」として猶予期間を前提としておりますが「暦月徴収制」を前提としたとしている「普通保険約款」での「契約応当日」との間にはかなりの違うがあります。
「普通保険約款」から該当した箇所を抜粋してみました。
「月払契約においては、払い込むべき月の20日以降は、本社が指定した場所に払い込みことを要する。また、その末日が休日の場合翌日から持参債務となる(民法142条)」と規定しております。
現在の保険業法とした契約法での考え方は、ドイツの保険契約法に習うところが多くあります。
引用している約款から、その条項を抜粋しました。
「書類書留をもって保険料の払込を催告した後、20日を経過することによって持参債務に変更することができるものとし、書留郵便発送の日の翌月から起算し、その末日が休日であるときはその翌日が末日となるものとする」と規定しております。
実は、この問題を取り上げたのは、保険契約を継続するうえで、最も重要なこの問題が比較的軽視されているのではないかと思ったからなのです。保険契約はイザいうときにこそ役立って初めて保険に加入した意味があるのです。
そのために生命保険の契約は継続するための工夫を施してあるのです。
ですから営業の方々は、保険料の払込みなど途絶えることなくフォローしなければなりません。払込経路の多様化により営業職員も代理業の方も、毎月の入金状況を確認をし、契約の継続性に対し注意をしなければならないのです。例えば、お客様の月払いによる未納などを発見した場合など、次回の保険料に対して速やかに間髪をいれず連絡をしてあげてください。「預金不足ですので猶予期間内に必ず入金をしてくださいね」と。
お客様にいま一度、保険の重要さを約款を通して思い出して頂けることを。
最後に失効をしてしまった保険契約者に被保険者の健康状態や保険期間など失効契約が復活できないケースもあることを肝に銘じるようお願いします。けいして忘れていけない保険営業での基本なのです。
by 約款マン