延長定期保険への変更

今回は、保険商品から「約款の活用術」として取り上げて見ました。

保険販売では「払済保険への変更」は、非常に活用範囲も広くまた体裁も整えたやすい制度と言えると思います。

「約款」では、契約名用の変更として取扱うこととし、各保険会社の規定についても、取扱範囲、取扱条件など比較的具体的に規定している会社、または約款では「会社の定める」とした表現として(白地文言)として具体的な内容を事業方法書などに委ねる会社など様々なのです。

「延長保険」では、保険契約者に保険料の払込が不可能となり、その事態が生じた場合、便宜を図ろうとして諸外国でも実務として取扱われているものです。

払済保険と異なる点は、解約払戻金がなく保障継続の維持として保険契約者に対して認められている点です。

延長保険に変更した場合、以後の保険料の払込を中止し、解約払戻金(自動振替貸付、契約者貸付など保険契約者が貸付をしている場合には、その元利金を差引いた金額)を一時払いに充当して,以後の一定期間(保険期間は、当初の保険期間が最長)の死亡保障のみを行う「一時払い定期保険」に変更する方法です。(保険会社では、延長定期保険、払済定期保険、定期延長保険など呼称しています。)変更後の死亡保険金額は、変更前の死亡保険金と同額として、変更後の保険期間を新たに設けます。この場合により、変更後の保険期間が変更前の保険期間を超える場合には、残存保険期間後、生存保険を付加する場合があります。では、いつもの如く抜粋をしました。

各社の条文を敢えて抜粋しましたので、必要とならば、ご自分で熟読されるのも良い機会であるかも知れません。

○延長定期保険への変更および復旧 「平成17年11月作成」 日本興亜生命
保険料払込期間中は、保険契約者は、会社の承諾を得て、次回以降の保険料払込を中止し、解約返戻金を充当して保険料払込済の定期保険に変更することができます。尚、その保険金額は、会社の定めるところにより、もとの保険金額と同額とし、その保険期間は、もとの保険契約の保険払込期間満了の日までとします。尚、会社の定める金額を超える場合、生存保険を付加します。

○延長保険への変更 「2002年4月作成」 マスミューチャアル生命
契約者は、契約日以後会社の定める年数以上経過した契約に限り、将来の保険料の払い込みを中止し、保険期間を変更した原契約と保険金額を同一とする定期保険に変更することができます。この場合には、規定する必要書類を提出してください。ただし、変更後の延長保険の保険期間が満たない場合には、この取扱をしません。尚、延長保険の保険期間は、払戻金額によって例示の割合で計算し、延長保険の保険期間満了の日が原契約の保険料払込期間満了の日をこえるときは、払込期間満了の日までとし、払戻金額の残額によって生存保険を付加します。

○延長定期保険への変更および復旧「平成16年12月作成」東京海上日動あんしん生命
保険料払込期間中は、保険契約者は、会社の承諾を得て、次回以降の保険料払込を中止し、解約返戻金を充当して延長定期保険に変更することができます。この場合、その保険金額は、会社の定めるところにより、もとの保険契約の保険金額と同額とします。尚、延長定期保険期間が、もとの保険契約の保険払込期間満了の日をこえるときは、その日までとし、生存保険を付加します。

○延長保険への変更「2005年10月作成」 オリックス生命 
保険契約者は、保険契約について将来の保険料の払込を中止し、被保険者が死亡または高度障害状態に該当したときに支払う保険料払込済の定期保険に変更することができます。尚、保険契約者が本条の変更を請求するときは、必要書類を会社の本社または指定した場所に提出してください。尚、延長保険の保険金額は原保険契約の死亡保険金額の金額と同一とし、保険期間は、解約払戻金額により計算します。

○延長定期保険への変更「2005年10月」明治安田生命 
保険契約者は、当会社の定めるところにより、将来の保険料の払い込みを中止し、その保険契約の変更前の死亡保険金額と同じ死亡保険金額の延長定期保険に変更することができます。尚、延長定期保険は払戻金を充当して定めます。この場合、延長定期保険期間がこの保険契約の残存保険料払込期間をこえるときには、これをその残存保険料払込期間に止めて別に生存保険を付加します。

では、検証してみましょう。
1.解約返戻金を充当して保険料払込済の定期保険に変更することができます。
2.保険期間を変更した原契約と保険金額を同一とする定期保険に変更することができます。
3.解約返戻金を充当して延長定期保険に変更することができます。
4.死亡または高度障害状態に該当したときに支払う保険料払込済の定期保険に変更することができます。
5.その保険契約の変更前の死亡保険金額と同じ死亡保険金額の延長定期保険に変更することができます。尚、延長定期保険は払戻金を充当して定めます。
「保険料の払込済の定期保険」と「延長定期保険」とした呼称の違いが判明します。お客様に説明をする場合には、前者による「保険料の払込が済んだ定期保険(死亡または高度障害状態に該当したとき)」の条文が最も説明が分かり

やすく、内容も詳細に定めています。

この条項に関連することですが、法律的に解釈を別の角度で検証した場合、これを「保険契約内容変更請求権」とする性質があるため「形成権(当事者(保険契約者の一方的な意思表示で一定の法律関係を発生させる権利)」と説明するむきがあります。保険会社としても危険選択を要する取扱いに付いては、保険会社の承諾があってはじめてその効力(変更権)が発生するとしています。

ですから、「保険契約者は、会社の承諾を得て」、「必要書類を会社の本社または指定した場所に提出してください」と定めています。

ほんの少しの解釈を「約款」を読まれるとき、例えば「六法全書」を片手に熟読しますと、大変に思いが深くなろうかと思います。

生命保険は、「私法」として保険業法にて定めております。たまには、時間を持って約款と格闘するのも良い勉強かも知れません。

これ「すべて皆様のため、そしてお客様へのために。」

by 約款マン