給付金の支払い
給付金の支払い
平成18年7月24日、各新聞紙上にソニー生命保険での衝撃的な記事が掲載されました。
記事の掲載内容は、「第1回保険料の領収をしなくても責任開始として保障を致します。」という要件でした。
従来、生命保険契約の場合、第1回保険料の取扱いは、保険契約申込書、告知(診査及び告知扱いを含む)、保険料相当額の3点セットが揃うことにより、契約締結とした証とする効力要件として「責任」を負うことが含まれています。
これを「約款」では、「責任開始条項」として確認できます。
では、引用してみましょう。
○ 責任開始 会社は、次の時から保険契約上の責任を負います。
(1)保険契約の申込を承諾した後に、第一回保険料を受取った場合・・・第一回保険料を受取った時(2)第一回保険料相当額を受取った後に、保険契約の申込みを承諾した場合・・・第一回保険料相当額 を受取った時、ただし、被保険者に関する告知の前に受取った場合には、その告知の時と定めています。
この条文では、効力要件として保険契約者および被保険者の同意のうえ、保険契約申込書へ署名・捺印をし、保険会社が承諾をした時点より、第1回保険料(相当額)を受領することで、責任を負いますことがひとつ。
そして(2)の場合では、その他に保険会社の承諾前に第1回保険料を受領する場合もあるため受領する時期に、または告知の時まで遡って保険会社が責任の成立効力として責任を負いますとした条項です(責任開始遡及条項といいます)。
例えば、第1回保険料を受領し、不慮により保険事故が発生した場合でも、保険会社は、保険金の支払いをしますと約定しており、これを「責任開始の遡及条項」と定めています。
これに類似した条項が、保険料の払込方法「経路」として「保険料口座振替特約」に定めており、月払いの保険料の取扱いとして、振替日を責任開始の日として契約応当日の属する翌月の1日として定めております。
これは、その他、経路としてクレジットカード払いなど多岐にわたり顧客ニーズに併せ便利な経路として充実しています。
はなしを戻しますと「保険料口座振替特約」と同様に、責任開始の日と契約日との乖離が問題として生じることになります。
そこで、どうしても時間的なタイム-ラグが生じることになるのです。
もし、第1回保険料を受領したにも関わらず、保険事故が発生したら場合、どのように対処すべきか問題になるわけです。
そこで、約款では、以下のとおり口座振替の特約条項では定めております。
○ 責任開始および契約日の特則より 会社(保険会社)の責任開始の時から契約日の前日までの間に保険事故が生じた場合には、契約年齢、保険期 間、保険料払込期間その他その保険契約における期間は、会社(保険会社)の責任開始の日を基準として再計 算し、保険料の過不足分があれば支払金と精算します。
生命保険では、「契約性」として様々な契約性を有しており、その中で「諾成契約性」とした当事者(保険会社と保険契約者)双方の合致により成立をするものとする概念があり、また、保険契約でも契約の概念としているのです。
しかし、「保険料前払主義」とした原則を保険の始期として保険料率、保険年齢、保険期間を定めているため、その時期より時期を定めている関係上、また、保険事業上での観点から採用しているため成立要件として「約款」では定めているのです。
これは、上記?による条文として定めている限り、本来であれば保険契約として成立はしてはいないので、責任を負うことはないのですが、保険金の対価として保険料の受領に対し、保険業として健全なる運営を図る観点より、承諾前による保険事故が発生した場合でも責任を負うとしたことを条文として定めたもので、これを、ソニー生命では、本来ある保険契約の契約性とした真の姿を要件とした契約法を取扱いとしたことで歓迎すべきこと、また意義ある記事なのです。
さて、医療保険でも同様に「疾病入院給付金」に付いて考察してみたいと思いますが、「お客様が入院」をした場合、厳密には、きちんとした定義があるため、責任開始同様に、約款でも定義とした文言(もんごん)を条項に定めておりまのので、各社より抜粋しましたので、違いや条文の意味を検証したいと思います。
○ ソニー生命 「給付金の支払」( 平成17年11月改正 )
被保険者が、次のいずれにも該当する入院をしたとき(1)責任開始期以後に発病した疾病の治療を目的とする入院(2)病院または診療所における入院(3)入院日数が5日以上の継続した入院○ 日本生命「疾病入院給付金」(平成18年3月27日改正)
被保険者が保険期間中につぎの入院をしたとき2.責任開始時以後に生じたつぎのいずれかを直接の原因とする入院である こと(ア)疾病(会社が異常分娩と認めた分娩を含みます。以下同じ。)(イ)不慮の事故(その事故の日からその日を含めて180日経過後に開始した入院に限ります。)(ウ)不慮の事故以外の外因3.その入院が治療を目的とした、病院または診療所への入院であり、かつ、2日以上継続した入院であること
○ 大同生命「疾病入院給付金の支払」( 平成18年5月改正 )被保険者が、次の条件を全部満たす入院をした場合には、規定によって計算した金額を、疾病入院給付金として入院給付金の受取人に支払います。
(1)給付責任開始の日以後に、発病した疾病を直接の原因(2)病院または診療所に、その疾病の治療を目的として入院を開始した場合(3)その疾病の治療のための保険期間中の入院日数が、継続して2日以上となったとき
○ ウンタートウル・スイス生命「給付金等の支払」(17年8月2日改正)
被保険者が、保険期間中につぎの条件のすべてを満たす入院をしたとき(1)責任開始期以後に発病する入院であること(2)疾病の治療を目的とすること(3)入院日額が継続して8日以上であること(4)別表5に定める病院または診療所における(別表6)に定める入院であること
如何でしたでしょうか?医療保険は、大雑把に分類しますと「疾病入院給付金」・「災害入院給付金」・「手術給付金」などが付帯した医療保険とそれぞれに特約を付加し、各種用途ごとに構成する医療保険に大別することができます。
上記「疾病」に対する給付金として各社ごとに解釈をすると、「疾病」の入院に付いて「治療を目的とした入院」として、「発病・疾病による目的により病院または診療所への収容」と定義しています。
更に、各社の条文を要約しますと「責任開始以後」、「発病・疾病」、「病院又は診療所」、「治療行為」とする4つの要件としております。
また、「入院」とする要件として別表では「医師(会社が特に認めた柔道整復師法に定める柔道整復師を含みます。)による治療(柔道整復師による施術を含みます。
)が必要であり、かつ自宅等での治療が困難なため、会社が定める病院または診療所に入り、常に管理下において治療に専念することをいいます。」して、「病院または診療所」では「?医療法に定める日本国内にある病院または患者を収容する施設を有する診療所(四肢における骨折、脱臼、捻挫または打撲に関し施術を受けるため、会社が特に認めた柔道整復師法による施術所に収容された場合には、その施術所を含ます。)?前号の場合と同等と会社が認めた日本国内にある医療施設。」と定義しています。
これらを踏まえ、またよく頭に叩き込み「疾病」の入院に対してなどの相談・通知がある際には、まず要件を良く聴きことで、アドバイスをすることが肝心です。
また、責任開始前に傷病とした場合などにも、約款では定めている条項もあるため、その場で即答するのではなく、いま一度、約款を調べるとか生命保険会社に確認することも必要なことかも知れません。
「約款を読まずして保険営業などすべきでない」とこれはボクの格言なり。
2007.4.作成
by 約款マン