預金口座振替特約

1882年当初、保険料を(保険料債務ともいいます。)の履行地として保険会社の本店または指定された場所に対して「持参債務(保険料払込の義務としていました。)」と定めておりました。ところが、一方でサービスとした契約者の自宅に赴き保険料の集金を行なっていました。

これが慣行化として「約款」による取決めとは、異なることがありました。

国民生活審議会は、昭和56年11月に約款の適正化とした報告をまとめ「保険料の払込方法にかんする約款の規定の改正」で、「取引実務の約款の規定との乖離をできるだけでなくすように約款を改訂する」ことを取り上げました。

これを受けて昭和57年5月に生命保険協会ではこれに対応することを決め、約款改訂作業のプロジェクト・チームの設置、その年の12月には約款のモデルを作成しました。

これに基づき各社が、約款等基礎書類の変更許可申請を翌年58年2月末日に大蔵省に提出し、4月2日以降に新たな約款の基礎としました。

その中で注目したことがあります。

それまでの保険料の払込み履行日に付いては、「契約応当日」としていましたが、改正によりその「契約応当日」を含む月の1ヶ月間とした「払込期月」として、

その期間内に保険料の払込みを行なえば有効と致しました。

この改正により「払込期月」の概念を導入したことで払込期月中に保険料の払込期日(契約応当日前)に保険事故が発生した場合、または保険料の払込みを要しなくなったときは、保険料の返還をすることとして、約款に定めました。

それでは、今回取り上げました『契約日前の事故』として、契約日前とよる「給付金の支払い及び保険料の免除等」に対して、保険会社ごとの約款を通して検証したいと思います。

○契約日前の事故 「平成17年4月作成」 損保ジャパンひまわり生命
会社の責任開始の日から契約日の前日までの間に、主契約および特約の規定に基づいて保険金等の支払事由または保険料の払込の免除事由が発生したときは、前条の規定にかかわらず、契約年齢および保険期間は、会社の責任開始の日を基準として再計算し、保険料の超過分があれば払い戻し、不足分があれば領収します。ただし、保険金等の支払があるときは、過不足分を支払金額と清算します。

○責任開始および契約日の特則「2005年10月作成」 オリックス生命
会社の責任開始の日から契約日の前日までの間に、主契約および特約の規定に基づいて保険金等の支払事由または保険料の払込免除事由が発生したときは、前条の規定にかかわらず、保険期間、保険料払込期間および契約年齢は、会社の責任開始の日を基準として再計算し、保険料の超過分があれば払い戻し、不足分があれば領収します。ただし、保険金等の支払があるときは、過不足分を支払金額と清算します。

○契約日の特則「200年10月作成」 第一生命
会社の責任開始の日から契約日の前日までの間に、会社が主約款および特約の規定に基づいて保険金、給付金その他保険金に準じる保険給付(以下本項において「保険金等」といいます。)を支払いまたは保険料の払込を免除すべき事由が発生したときは、前条の規定にかかわらず、契約年齢、保険期間および保険料払込期間は会社の責任開始の日を基準として再計算し、保険料の超過分があれば払い戻し、不足分があれば領収します。ただし、支払うべき保険金等があるときは、過不足分をその保険金等と清算します。

○契約日の特例 「2005年10月」 明治安田生命
当会社の責任開始時の属する日から第1項の契約日の前日までの間に、保険金もしくは給付金の支払事由または保険料の払込免除事由が発生した場合には、第1項の規定にかかわらず、責任開始時の属する日を契約日とし、期間の計算および年齢の計算は、この日を基準として行います。

○契約日前の取扱の特則 「2005年4月改訂」 クレディスイス生命
会社の責任開始日から契約日の前日までの間に、会社が主約款および特約の規定に基づいて保険金等の保険給付を行い、または保険料の払込免除を行うべき事由が発生したときは、前条の規定にかかわらず、契約年齢、保険期間および保険料払込期間は、会社の責任開始日を基準として再計算し、保険料の超過分があれば払い戻し、不足分があれば徴収します。ただし、保険金等の支払があるときは、過不足分を支払金額と清算します。

条文を検証してみましょう。
1.会社の責任開始日から契約日の前日までの間に
2.会社の責任開始日を基準として再計算し
3.過不足分を支払金額と清算します。
の3つの要件が含まれています。

保険契約者が、「口座振替」を選択した場合、普通保険約款とは別に「特約」として「口座振替扱特約」として別途締結します。

口座引落しの日は、現在27日(当日が休日のときは28日、また10日など保険会社により異なる)になっているため、払込期日(契約応当日)の末日などと数日のズレが生じます。そこで、契約を締結した約款による保険料払込期月の規定を排除して、振替日を指定し、その日迄に保険料相当額を指定日までに預入れておくことを「特別約款」では定めています。

この関係で、払込期月中の保険料の対応とする期間が到来する前による保険事故が発生した場合として、3つの要件を「特別約款」として定めているのです。

しかし、お客様では「口座振替特約」の内容など知る由もありません。

是非、話法とし契約締結の折「さり気なく」告げることは、継続する上でも効果が得られることでしょう。

博学ではない、実践に則した内容で、月払い契約が、「なぜ、1日なのか?」を伝え共に約款の重要性を用いることは意義あることでしょう。

最後に、「支払の請求、支払の手続き」から「事実の確認のために特に時日を要する場合のほか、その請求に必要な書類が本社に到着してから(到着日の翌日からその日を含めて計算して)5日以内に、会社の指定した場所で支払います。」この通り万全を期すため、配慮が成されているのです。

これも「約款こそ情報の宝庫」と云える所以かもしれません。

by 約款マン