保険契約者の変更
保険契約者の変更…変更のための手続きはどうするか 【水戸功一の約款研究】
生命保険の商品では非常に長い期間契約を続けるために変更ごとがいくつか発生します。
今回は、年金保険の給付金などによる受取りに関する条項(規定)として「保険契約者の変更」をテーマに焦点をあてて見たいと思います。こと、年金保険では当初の受給方法とした年金受取方法(例えば、確定年金など)などの内容変更に付いては「支払前に変更が出来る」のは常識的にあたりまえです。
例えば、受給が開始されてしまった後に営業職員などにフォローをお願いしても対外的には、異例を認めません。(これは受給権の問題があるため)そうならないために「諸問題が発生するまえに」約款を熟読して頂き保険契約者に対する「フォロー」をして頂きたいのです。これってとっても大切な営業活動なのです。
実際にあった実例です。保険契約に20年以上も継続をしていており、現在「腎臓透析」をしている傍ら、身辺整理をする機会と思い、生命保険証券の整理に思い経ったといいます。当年とって70歳を迎えるご婦人からの依頼でした。
内容確認においても自ら各生命保険会社に電話で確認及び満期時到来に関する税金上の問題、年金受給時期などを確認されたと言われました。しかし、そこは素人です。最終的には相続税などの課税関係などを含め、担当である税理士に相談をされて間接的に私に依頼がきたという経緯なのです。
高齢でもあり資産家として都内にも有数な土地持ちでもあり、後々の「相続税の対策」が織り込まれておりました。法定相続人との継承問題、相続税の納付資金および保険金の承継などを生命保険活用として担っていました。当時(昭和50年頃の契約が大半でしたが)の生命保険証券を拝見しますと全部で26通ありました。
死亡保障は勿論、貯蓄を含んだ商品内容が殆どでした。あいにく法定相続人が息子さんと旦那様だけでしたので割合スムーズに変更業務が済みました。保険契約者および死亡保険金受取人が奥様のもあり年金保険がの受給前での変更手続きでしたので安心したことを覚えております。もっとも多かった変更処理がテーマである「保険契約者の変更」でした。
では、会社ごとに今回の事柄と併せ、約款より抜粋をしました。内容を検証してみましょう。
※約款による目次の名称です。
三井住友きらめき生命 「2002.3作成の約款より」
※保険契約者の変更
保険契約者またはその承継人は、支払開始日前に限り、被保険者の同意および会社の承諾を得て、保険契約上の一切の権利義務を第三者に承継させることができます。但し、受取人は、支払開始日以後は、保険契約上の一切の権利義務を承継するものとします。尚、本条の変更について会社に対抗するためには、保険証券に表示があることを要します。マスミューチャアル生命 「2002年4月作成の約款より」
※保険契約者の変更
契約者は、被保険者および会社の同意を得て、契約上の権利義務を第三者に継続させることができます。尚、この場合には、請求手続による規定された必要書類を提出してください。損保ジャパンひまわり生命 「平成17年4月改訂の約款より」
※保険契約者の変更
保険契約者またはその承継人は、支払開始日前に限り、被保険者および会社の同意を得て、保険契約上の一切の権利義務を第三者に承継させることができます。但し、本条の変更の請求をするときは、必要書類を会社の指定した場所に提出してください。尚、保険契約者と受取人が異なる場合、受取人は、支払開始日に保険契約上の一切の権利義務を承継するものとします。また、本条の変更を行なったときは、保険証券に表示します。ソニー生命 「平成16年4月作成」
※保険契約者の変更および保険契約の承継
保険契約者は、支払開始日前に限り、被保険者および会社の同意を得て、保険契約上の一切の権利義務を第三者に継続させることができます。但し、受取人は、支払開始日に、保険契約者から保険契約上の一切の権利義務を承継するものとします。この場合、受取人が2人以上のときは、その受取割合に応じて保険契約上の権利義務を承継するものとします。変更を請求するときは、会社所定の書類を、会社に提出してください。
さて、注意をして頂きたいのが会社よる条文による「証券上、表示していないと対抗する場合困りますよ!」と明記されている保険会社が2社あることです。これは、契約内容に変更履歴の証として契約者にも変更したことが分かるように裏書きをするのです。最終的には、第三者とする承継人に付いての「証文」ともなるわけですね。
「保険契約者、被保険者、保険金受取人」とした保険契約の形態は、課税関係と密接に係りを持っております。留意点として相続税の納付等のためには一定期限内で支払いなど発生しますので変更などをする場合など支払サイト(請求より保険金が支払われる日数)などアドバイスなどをしてあげることも忘れないで下さい。
また「年金の権利の評価」と併せ年金による相続対策など二次相続とする活用方法と課税関係に付いておはなしさせるのは如何でしょうか?「約款」を熟読する「対策書」として活用する。今も昔も変わらない「実用書」としても言えるのかもしれません。
by 約款マン